Market Report Vol.03
市場の展望-第3回
かつらの販売を担う一経営者として、業界の「過去の経緯」「現在の状態」「これからの市場の展望」 について、私自身の抱く希望や危機感も含めて、思うところを徒然に書いてみたいと思います。
これは、社長の思いであり、我が社の経営環境、経営理念、経営目標の再確認でもあります。
代表取締役 島田広夫
現在の状況
男性用かつらに限れば全国の販売額は個人的予測として..
大手2社、合計約、700億円(推定平均販売単価、40万円)。
中堅20社で40~60億円(推定平均販売単価、20万円)
その他の50~60社 が10~25億円
合計金額 800億円前後かと思われます。その他、増毛販売で20~30億円。 もしも理容業界での売上高があっても、せいぜい5億円程度とおもわれます。
衰退
2010年を過ぎる頃から、ウイッグ業界及び理容業界に変化が表れはじめます。
この10余年の経済環境に、当時の需要世代である30歳代から40歳代は、すでに60~70歳以上になり、 不況早期解雇の対象になり、リストラ、解雇、再就職難、そして若い世代にも長期にわたる就職不況があり、 転勤、転職、収入減をきっかけにウイッグの使用中止や購入控えがおこり、全体として販売単価の低下、 販売数量の減少など、業界全体で20~30%以上の売上高が減少したと思われます。
また日本人口の少子化及び高齢化は、市場規模をさらに縮小すると思われます。
例えば、理容業界において、理容椅子販売はタカラベルモントと新明和工業の2社で、 ほぼ占賓市場にもかかわらず新明和工業は事業撤退をしました。
大手各社はビジネスモデルとして、1995~1996年頃より、女性用ウイッグに注力。
男性用ウイッグの落ち込みを補っています。 最近の男性ウイッグの大手小売価格は平均40~50万円、中、小業者では10万~20万円が主となっています。
倒産、廃業
最近の急激な購買力の落ち込みにより、廃業や、過激な廉売をする専門店も現れました。
新聞広告に1枚、5万円と表示、誇大広告に近いがやむなきに至っています。
1980年~1990年頃に独立、開業をした多くの経営者も、すでに60歳~70歳となり、 その当時の顧客も高齢化し、後継者もなく大半は廃業を迎えつつあります。
最近では、プロピアの会社更生法申請、大阪の中央毛髪研究所の自己破産、 神戸や、大阪、梅田の個人業者の後継者不在による廃業が目立ちはじめています。
2008.12.15 つづく