第4回:模索

Market Report Vol.04

市場の展望-第4回

 かつらの販売を担う一経営者として、業界の「過去の経緯」「現在の状態」「これからの市場の展望」 について、私自身の抱く希望や危機感も含めて、思うところを徒然に書いてみたいと思います。
これは、社長の思いであり、我が社の経営環境、経営理念、経営目標の再確認でもあります。

代表取締役 島田広夫

模索

 今日まで基本的には直営スタジオの運営が基本だったアデランスが1999年頃より、 サテライトと呼ぶ社内独立を実施しているようですが、詳細はわかりませんが、 これらは何を意味するのでしようか。
  地域分社制だったアートネイチャーは、およそ10年前に大規模なリストラを実行して、 中央に集約し、上場を果たしています。

 近い将来、男性用ウィッグの需要人口が(40~50歳代)現在の半分になると想定し、 また、世界経済や日本経済が予期せぬ出来事の影響をうけて景気浮揚もなく、 高齢者の収入減販売価格の低下や、さらなる人口減少すれば男性ウィッグの国内の マーケットサイズは縮小する。

 私は、数年以内に数量ベースで最悪60%まで減少する可能性はあると思われます。 とすると、現在の男性ウイッグの全国の推定年間売上高、800億円の60%、480億円 もちろん販売価格の下落も当然見込まなければならないでしょう。

 2008年現在、大手も含めて、全ての会社は、顧客の高齢化が進んでいる事は間違いのない事実です。 そして先細りの実需年齢層、貯蓄や収入の減少等、明るい状況はひとつも見えない。 しかし全国に支店展開を終えている大手の対策は、すでに水面下では直営店の切り離し (元従業員の独立、譲渡等)と人員削減のリストラがかなり進行していると思われます。 そして女性向けウイッグの販売に広告費用を集中したり、多店舗展開を強化しているようです。

 販売価格はどのように変化するのでしょうか?
価格は二極化し25万~40万円。廉価帯は8万円~10万円位ではないかと考えます。 販売形態は、高齢者向けコンビニ店とか、富裕層向けコンビニ店のような発想が参考になるかもしれません。
例えば高齢者向けコンビニ店とはインターネット販売で既製品を主とし中心価格帯は8万円ぐらい、 オーダーメイド8~15万円ぐらい。
富裕層向けコンビニ店はオーダーメイドを20~30万円でショップ販売か、または 高機能新製品の開発と高額価格販売、新しい発想からなる販売方法など。
いずれにしても時間と費用の掛かることであり大変な作業です。
 我々中・小業者が生き残る事ができるのでしょうか?

次回からは、自分自身の頭の中にあるものを整理する意味もこめて、より具体的に 今後の対策やビジネスモデルを開示していきたいと考えています。

2009.1.8 つづく