Market Report Vol.06
市場の展望-第6回
かつらの販売を担う一経営者として、業界の「過去の経緯」「現在の状態」「これからの市場の展望」 について、私自身の抱く希望や危機感も含めて、思うところを徒然に書いてみたいと思います。
これは、社長の思いであり、我が社の経営環境、経営理念、経営目標の再確認でもあります。
代表取締役 島田広夫
業界の将来
さて、これまでに書き綴ってきましたさまざまな出来事をして、 この業界が将来どのようなかたちになってゆくのかを想像してみたいと思います。
私自身、専門知識はありませんし経済学などまったく解りませんが ただ当社は6月に創業30周年をむかえます。 このビジネスを続けていくうえで常に新しいビジネス・モデルを模索しチャレンジして いかなくてはならないと思っています。
かなり以前ですが、企業の成長30年説をある書物から知りました。 あらゆる業種、業界に共通し、創業後およそ30年をめどに衰退の道を歩むと聞きました。
経営者と従業員の高齢化、設備の老朽化、技術革新への熱意の消失や仕事のマンネリ化、 そして後継者不在や古くからの取り引先も同じ悩みを抱え廃業に追い込まれていきます。 では日本の永く続いている企業はどのようにして発展し続けたのでしょうか。
日本の人口が増加つづけるあいだは、店舗数を増やせば当然に売り上げも拡大できたでしょう。 そして拡大成長に限界がくれば、次は売り上げ減少地域の店舗のスクラップ&ビルドを繰り返してゆき、 利益率向上と利益追求、そして限界になれば、次は異業種への参入が当たり前のように行われたように 思います。
その後、IT産業、株式ブーム、難しい金融商品FXやリートなどがありました。
当社のビジネスモデル
今から約20年前に当社は2つの事に注目をしました
1.店舗のいらない専門店はできないだろうか?。
当社が、大きく店舗展開をするには余りにも過少資本すぎる事。
2.技術者のいらない製品は出来ないだろうか?。
当時の理容師の給与水準は40~45万円ぐらい普通でした。 理・美容学校の入学条件が厳しく改正され、全国で入学者が激減しました。 全国、約12万店の理容店に対し、今年度の理容学校の入学者は1300人を切っています。 いづれ技術者不足になると予想さること。技術者の高給与は製品へ価格転嫁しか出来ない。
以上の事から当社のビジネス・モデルを変えてゆくことにしました。
(理容店開拓)
手始めに今から約17~8年前に兵庫県内、奈良県内、滋賀県内のおよそ7000店の理容店を 巡回訪問を実施しました。販売価格を12万円固定価格に設定しました。 従事する営業社員は2名のみ、応援理容師2名、普段は直販部門に従事。 方法はポスターを配布するだけで見本は置かない。 結果的に初年度売上高4000万円を超えることが出来ました。 2年度は6000万円達成でした。 自前店舗をもたずに又、高額な広告費を使わずに大成功でした。
(2年後の撤退)
理由は営業訪問は昼間の時間帯でしたが、顧客の面会時間は夜、 7時~9時頃がほとんどでした。あまりにも負担がかかりすぎました。 しかし、その後10年にわたりスペアの買換え需要が長く続き業績に寄与しました。
(無店舗販売)
続いてチャレンジをしましたモデルは無店舗販売。 それは、全国の地方新聞に広告をして、個人のご自宅に訪問、販売する方法でした。 売上高は初年度、1500万円、約2年度は2000万円、3年度以降は3000万~4000万円で 推移していますが最近は頭打ちの状況にあります。
(技術者不要の製品は可能か?)
細かい内容は控えますが、ほぼ99%完成したと思っています。
その理由は
1.現在、製品を使用しておられるお客様の大半、個人的にみてですが、 残念ですが80%ぐらいの方は、誰がみてもカツラと判ってしまう状態です。 購入先が大手でも、個人の専門店であっても不自然さはあります。 もちろん、高価格な商品でも低価格品でも同様です。 その理由は以前にも記述しましたが、自然に仕上げる技術は個人技だからです。 総合的にそれらのレベルを上回れる製品を作り置きが(完成既製品)あれば、 もっと自然になり、低価格で供給できる訳です。
2010.02.26 つづく