第7回:2010年のかつら業界

Market Report Vol.06

市場の展望-第7回

 かつらの販売を担う一経営者として、業界の「過去の経緯」「現在の状態」「これからの市場の展望」 について、私自身の抱く希望や危機感も含めて、思うところを徒然に書いてみたいと思います。
これは、社長の思いであり、我が社の経営環境、経営理念、経営目標の再確認でもあります。

代表取締役 島田広夫

2010年のかつら業界

2010年に入りカツラ業界も波乱含みです。
昨年の暮れにはアデランスのダウニー事業部が廃部しました。 広島、岡山、京都、神戸、大阪のスタジオを閉鎖されました。 顧客は最寄のアデランスのスタジオに吸収されたようですが、多くのユーザーは困惑されているようです。
また、個人の神戸ヘアーが廃業。大阪のアーム・クリエーターも廃業しました。
近く、ある専門店が廃業するとの情報が入りましたが、やはり個人営業のため、高齢化による病気や事故などが起きれば突然の休業や廃業に追い込まれる可能性が出てきます。

技術者の要らない製品

当社も当然ながら業績は頭打ち状態ですが、打開するための手立ては打っています。
各スタジオは、すべてリニューアルは終了しました。当分は改装負担は不要です。
そして、この8月には京都スタジオをオープンにいたしました。

さらに前述しました、技術者の要らない製品が完成しました。
その為の新店舗も完成し、あとは品揃えとホームページの完成を待つばかりとなりました。

<コンセプト>
◎今日、付けて帰れます。・・・(合うはずがないとの思い込みがある。)
◎返品、交換自由。多くの製品の中から選ぶ。
◎こんどの同窓会や、結婚式の参加に間に合います。・・・(同級生や友人と会う喜び)
◎明日の旅行に間に合います。・・・(思い出の写真をみんなで撮る)
◎低価格なのにほんとうに自然に。・・・(いままで20万~30万円も無駄にしてきた後悔)
◎父の誕生日にプレゼント。・・・(お小遣いで、だれでも手が届く気安さ。)
◎月々5~6千円で購入ができる。

ただ、「かつらはオーダーでなければいけない」と言い聞かされてきたお客に、どうのように 対応をするか問題点も残されます。そして今後、
▲総人口および若年層の減少、▲マーケットの縮小と、 ▲将来の収入の上昇は当分見込めないことを大前提として、 販売価格は5~8万円、オーダーウイッグは他社オーダー価格の 半額で販売することにいたしました。
販売エリアは当面、ある地域に絞り込み試験販売を開始します。 販売開始時期は本年12月より開始する予定です。
結果については、あらためて皆様にご報告をしたいと思っています。

2010.12.07 つづく